入れ歯

患者さんにとって入れ歯の魅力とは

取り外し可能なタイプの人口の歯

入れ歯とは、何かしらの原因で歯がなくなった方に対して使用する、取り外し可能なタイプの人口の歯(義歯)です。

取外しが可能なため、いつでも洗えば清潔になり、歯を削ったりしなくても装着可能なためよごれてきたり、不具合が出てきたら気楽に新しいものを作り直すことが可能なのが魅力です。保険診療で¥3,000~¥10,000(片顎・3割負担の場合)で製作が可能です。

入れ歯

メインテナンスの違いについて

入れ歯は着脱可能なので、毎日朝起きたら、自分の歯と同じように磨いてあげましょう。専用の義歯用ブラシが使いやすいです。市販の義歯用洗浄剤を用いると爽快感も保ちやすくなっています。超音波洗浄機なども市販でも数千円で買うことができるので、併用すると良いでしょう。

問題なく義歯を使用している方でも、半年ほどで義歯の下の粘膜の形は大きく変わってしまいます。裏打ちを張え現状に合った義歯を使用すると、義歯をひっかけている歯の負担も減り、がたつきもなくなるので義歯の定期健診は必要です。車の車検のようなものですね。

総入れ歯について

総入れ歯とは、歯をすべて失ってしまった方に対して、咀嚼機能を補う目的で用いる入れ歯です。

歯が1本もない人に対して用いるので、総入れ歯を安定させるためには入れ歯と歯の粘膜の吸着が大事になります。そのため、部分入れ歯よりも精度の高い物が必要であり、日々変化していく粘膜に対応するため、6か月おきに裏打ちを張り替え常に密着度の高いものが要求されます

総入れ歯

部分入れ歯について

歯が部分的に欠損した人に対して使用する義歯のことをさします。

歯を入れる方法には大きく分けて『ブリッジ』『義歯』『インプラント』の3種類がありますが、部分入れ歯の利点は歯を削らずに歯のないスペースにはめ込み式で装着が可能なため、着脱でき常に清潔感を保つことが可能です。

部分入れ歯

汚れてきたり、不具合が出てきたら気楽に新しいものを容易に作り直すことが可能なのも魅力です。保険診療で¥3,000~¥7,000円(片顎・3割負担の場合)で製作が可能ですのでリーズナブルなのも魅力ですね。そして、種類が豊富なのも特徴的です。

入れ歯の種類

部分入れ歯の種類

保険の樹脂製の部分義歯

特徴は安い値段です。¥3,000~¥5,000程度で(3割負担の場合)製作可能です。ただし、樹脂製なので1mm以上の厚みが必要なため多少異物感が強いのが欠点でしょう。

また、義歯を固定するために歯にひっかけるものが金属製のため、前歯にひっかけてしますとカッコ悪くなってしまうのも欠点です。

部分入れ歯

保険の樹脂製の部分義歯
(部分的に金属使用)

一般的な上記の保険の義歯で異物感が強い人には、義歯の内側を金属で製作することが可能です。

その義歯だけを見ると無骨な感じですが、金属は0.6~0.7mmまで薄く製作可能なため異物感がおおきく減るでしょう。

部分義歯

金属部分も義歯の内側の見えない部分にしようするため装着すれば上記のものとほぼ同じです。
ただし、金属を留め具とすることは同じなので留め具の部分は同様に見えてしまいます。
費用は金属を使用するため+¥1,000~¥2,000ほど高くなります。

自由診療の部分義歯

最大の特徴は歯にひっかける留め具が金属製ではなく、ピンク色の少し弾性のある樹脂を見えない位置からひっかけるため、審美性が非常に高いです。

歯の色の白色と歯ぐきの色のピンクのみで製作可能なため、自然な感じで義歯を使用できます

部分義歯

さらに、見えない部分を歯科技工士が手作りで鋳造した金属製にすることで薄くFIT感の高い義歯が製作可能です

ただし製作作業が煩雑で手間も大きくかかるため費用は¥60,000~¥250,000と保険の義歯よりも高額になりますが、今まで保険の義歯を使っていた人がこの義歯を使用すると満足度の向上は間違いないでしょう

自費の入れ歯の種類

金属床デンチャー

金属床義歯とは、昔から義歯は歯科用樹脂を主成分としたものが用いられますが、どうしても噛む力に耐えるためにはその樹脂の厚みを1.2mm以上確保する必要がありました

しかし、研究で、人間が義歯をお口の中に入れて異物感が大きいと感じる人の割合は~0.8mmであり、それ以下の0.8mm~は空隙に異物感の現象を感じます。

金属床デンチャー

金属床義歯は最も薄くて0.6mmまで薄くすることができるため、義歯を使用するにあたってネックとなる異物感減少をクリアする素材として昔から良い義歯=金属の裏打ちを用いた義歯とされています。

また、異物感の減少の他に、長持ちする(金属は強靭なため変形が少ない)、汚れが付きにくい(表面が滑沢)、密着精度が高い(歯科技工士が手作りで鋳造して製作するため、FIT感が高い)なご、保険の義歯よりも素材にこだわっている分、使いやすい義歯となります。

さらに最近では、基本的に義歯は残存している歯に金具をひっかけて安定を求めますが、金具の代わりに軟性の樹脂を歯ぐき側から隠れるように歯にひっかけるようにし、さらに見えない部分には金属で薄く頑丈に製作した本体を使用することで『薄くて異物感の少ない』『頑丈で長持ちする』『見た目の綺麗な』義歯を製作することが可能となりました。

マグネットデンチャー

マグネットデンチャーとは、残存する歯が少数『4~5本』になってしまった場合、義歯の形が複雑になり、はめずらく使いにくい義歯になってしまいます。

そういった場合に残っている歯の中にマグネットを埋め込み、デンチャーにもマグネットを組み込むことで、噛んでもパカパカしない安定した義歯を得ることができるようになります

マグネットデンチャー

マグネットがカチッとはまり込む感触は、今まで保険の義歯を使用してきた患者様にとっては至上の喜びとなるでしょう。既存の今使っている義歯に使用できることも利点の一つです。

インプラントデンチャー

義歯がガタついたり、外れやすい人のために細くて小さめの義歯安定用のインプラントをガタつく部位に埋入することで、そのインプラントが杭となり、義歯を安定させます。

マグネットデンチャーと考え方は同じで、歯がない部位にも入れることが可能ですので応用することが可能です。

インプラントデンチャー

一般的な歯を増やすためのインプラントと歯違い、小さいインプラントを入れるだけでよいので、身体への負担も少ないのも利点です

入れ歯が完成するまでの流れ

  • カウンセリング
    現状の義歯の不具合点(どのような義歯を理想としているのか)をお聞きいたします。さらに、義歯以外の歯を入れる方法はないのかの検討、他の歯のチェックも行います。
  • お見積もり
    治療の選択肢、それぞれについての費用・期間をお見積もりいたします。
  • 型どり
    義歯の製作が決まったら まず歯型を取ります。通常は一回で済みますが、複雑な形状の義歯の場合には2回に分けて型どりをすることもあります。
  • 寸法を計測
    型ができたらその型を用いて、歯の長さや、噛みやすい位置など、作りたい理想とする義歯の情報を得るためにお口周りの形の寸法を計測します。
  • 調整
    採得した数値を用いて一度歯を並べてみて、患者様に試しに付けていただき、見た目や噛みやすさなどの確認、修正を行います。(見た目などのこだわりのある方はこの作業を何回かすることで自分の理想とする義歯に近づけていきます)
  • 完成
    義歯のイメージと形が理想と一致すれば、それをそのままの形で完成させます。
    義歯は樹脂を使用するため、0.2%ほど、製作時に変形します。その変形したところははめた時や噛んだ時に痛みとしてその場で表在化してくるのでその部位を微調整して完成となります。
  • 再調整
    装着時には問はがなくても、1週間も新しい義歯を使うと、よく傷がついてしまうところや不具合のあるところが出てくることもあるので(下の義歯の粘膜は柔らかく可動性のため強く当たる場所が必ず出てくる)3~7日くらいで一度具合をみせていただきます。
  • 完成して1か月後
    1か月使っていただき、問題ないか検診としてチェックいたします。問題がなければ通常の3か月に1回の検診で義歯のチェックをお口のクリーニングと同時に行います。
    ※小さい義歯であれば端折ってもよい工程もありますので最短2回、大きい義歯では工程が複雑となるため最長5~6回の治療回数となります。